こんばんは、貴乃律子どす。
日が暮れるの、早なりましたねぇ。
気づいたら外が真っ暗で、「あれ、まだ七時やのに?」って思うこと、増えてませんか?
そないな晩は、部屋の灯りをひとつつけるだけで、空気の色が変わるもんどす。
――秋の終わりから冬のはじまりにかけて、いちばんのごちそうは「静けさ」やと思うんです。
たとえば、湯気の立つマグカップを両手で包んで、何も考えずにぼんやりする時間。
誰かの声も、スマホの通知もいったん横に置いて、自分の呼吸の音だけを聴く。
そうしておると、昼間には見えへんかった“自分の輪郭”が、すこし浮かび上がってくるような気がします。
昔、祖母がよぅ言うてました。
「夜は、世界が耳を澄ませる時間や」って。
昼はみんなが喋るから、自分の心の声は聞こえにくいけど、夜になると静けさがそれを拾う。
せやから、夜の灯りはまるで“心のランプ”みたいなもんやと思うんです。
わたしは夜の灯りが好きどす。
蛍光灯の白よりも、電球色のやわらかい橙。
机の上の小さなランプをつけて、本を読んだり、音楽を聴いたり。
時々ペンを走らせて、心に浮かんだことを少し書きとめてみたり。
誰かに見せるためやなく、自分と話すための文字。
そないして過ごす夜は、時間の流れがちょっと違うんです。
外の風は冷たいけど、心の奥が少しずつほどけていく。
静けさの中で、明日へ向かう力をこっそり蓄えるような――そんな夜。
どうか、読んでくれてはるあなたも、今夜はひとつ灯りを落としてみてください。
強い光やなくてええんです。
たとえばキャンドルでも、間接照明でも。
その小さな灯りが、今日という一日をやさしく包み込んでくれるはずです。
おわりに
人の心は、明るすぎても見えへんもんがある。
けれど、少し暗がりの中やと、ほんのりと光るものが見えるんです。
静かな夜と、自分の灯り。
そのふたつが交わる場所に、ほんまの“自分時間”があるんやと思います。
どうぞ今夜も、あなたの灯りがあたたかくありますように。
おやすみなさい――。