十一月の終わりって、ほんま不思議な季節やと思う。
昼はまだ「秋やで〜」って顔してるのに、夜だけ先に冬に片足突っ込んでくる。
街灯の光も、だんだんと冷たい色に変わってくるんよな。
朝、布団から出るときの空気のキンとした冷たさ。
帰り道に感じる「手ぇポケットに入れときたい温度」。
そのくせ、日中は油断したら汗ばむくらいの日もあったりする。
季節同士が綱引きしてるみたいで、見ててちょっとおもしろい。
そして十一月後半の一番の変化は、
「匂い」が冬に変わる瞬間やと思う。
木の葉が乾燥して、歩道で踏まれたときの“紙っぽい匂い”。
遠くで焚き火してるような、なんとも懐かしい焦げた匂い。
夜の空気の奥に混ざる、金属みたいな冷たさ。
ああ、冬が近いなあ……って、鼻が先に気づくんよね。
季節が変わると、心のリズムも自然と変わるもんで。
夏みたいに外へ向かうエネルギーはスーッと落ち着いて、
代わりに「自分の中へ戻る力」が強くなる。
家でゆっくりしたくなったり、温かい飲み物ばっかり選んでしまったり。
何かを“始める”より、“整える”ほうが心地よくなる季節でもあるんよ。
冬の入り口って、実は一年の中でいちばん
“心の静けさ”が綺麗に響く時期かもしれへん。
そして十二月の手前には、独特の“そわそわ感”がある。
街はまだクリスマスに本気を出しきらへんくせに、
ツリーだけはそろっと準備しはじめるし。
喫茶店からはシナモンの匂いが急に増えてくるし。
駅前では冬の飾りつけのテスト点灯がチラチラ光ってたりする。
「まだ秋やで?」って言いながら、
みんな心のどっかで冬を迎える準備し始めてるんよな。
そんな季節の変わり目にいちばん大事なのは、
“自分のペースを冬仕様にしてあげること”。
朝ちょっと早めに起きて白い息を楽しむもよし、
夜のコンビニのホットドリンクコーナーを眺めて季節を感じるもよし。
お気に入りのマフラーを今年初めて巻くのも、立派な「冬入りの儀式」。
小さな習慣ひとつで、季節の移り変わりはもっと優しくなれるんよ。
急に寒くなると、身体もしんどくなるけど、
そのぶん“心の奥の灯り”がよく見えるようになる時期でもある。
冬の手前って、ちょっと切なくて、でもあったかい。
今年もちゃんとここまで来たねって、
心の中で静かに言いたくなる季節なんよな。
みんなも、どうか無理せず、冬に入る準備をゆっくりしてな。
寒い空気の中に、ちっちゃい楽しみをひとつ見つけていこね。