―「冬が来る前に、心にひとつ火を灯そう」―
こんばんは、りつこどす。
十一月の終わりになると、空気がひとつ階段を降りたみたいに冷たなって、
街の明かりが、いつもより“近く”見えるようになりますえ。
冬が本格的に来る前のこの時期は、
なんちゅうか……
自分の影が急に“静かな声”で話しかけてくる季節やと思うんどす。
◆ 冬の入口は、心の入口でもある
十二月目前。
街はクリスマス前の浮き足だった空気に変わりつつあるのに、
心の中はまだ、秋の置いていった余熱を手放しきれへん——
そんな人、けっこう多いんやないやろか。
急に寒なると、
気持ちが“季節の速度”に追いつかんのどす。
・人恋しさがふと濃くなる
・夕方の影が妙に長く見える
・寝る前の部屋の静けさが刺さる
でもね、これ全部、悪いもんやあらへん。
冬は、心の輪郭がいちばん素直に現れる季節どす。
◆ 冬の手前の“光”がくれるもの
わたし、最近思うんどす。
冬の前の光には、不思議な性質があるって。
・夏みたいに弾まない
・春みたいに柔らかくない
・秋みたいに澄んでるのに冷たない
——なのに、胸の奥だけはちゃんと温めてくれる。
これはきっと、
“必要なところだけに届く光”やからなんやと思うんどす。
落ち込んだ日、
鍵が回らんかった日、
何もかもが止まったように感じる夜。
そんなときに差し込む、控えめな灯り。
冬の入口にある光は、
「元気にならなあかん」やなくて、
“ゆっくりでええよ”って言うてくれる光なんよね。
◆ 冬が始まる前に、心にひとつ火を灯す方法
りつこ流やけど、冬が始まる前に心の温度を整える方法、
いくつか挙げてみますえ。
1.小さい灯りだけで過ごす夜をつくる
部屋の主照明を消して、
間接照明とか小さなライトだけで過ごすと、
心がじわぁっと静かに戻ってきます。
光が控えめやと、
自分の内側も控えめになって、
余計な感情がふわっと溶けていくんよ。
2.温かい飲みものを“手ごと”味わう
紅茶でも、コーヒーでも、白湯でもええ。
カップを両手で包むのがポイント。
体温と飲み物の温度の差が、
そのまま“心の温度差”も整えてくれます。
3.帰り道の“冷たい空気”をわざと吸ってみる
冬の前の冷気は、刺さるけどやさしい。
深い吸い込みを一回するだけで、
頭の重さがすっと抜けることもあります。
4.ひとりの夜は、誰かの気配がある物語を読む
冬は“孤独が澄みすぎる”季節やから、
気配のある文章が心の温度を保ってくれるんよ。
ユキさんの作品なんか、
まさに“気配の物語”やねぇ。
(――こっそり宣伝どす)
◆ 冬は冷たいけど、心を閉ざす季節やない
冬の入口って、
どうしても寂しさが増すけど、
でもほんまは——
誰かの言葉や灯りが、一番深く届く季節どす。
寒いぶん、あたたかさが際立つ。
静かさのぶん、人の声が沁みる。
影が濃いぶん、光がやさしく見える。
だから今年の冬は、
無理に強がらんでええ。
ゆっくり息して、
できれば誰かと言葉を交わして、
自分の中にひとつ、火を灯してみてほしいどす。
その火はきっと、
春までちゃんと連れてってくれるさかい。