夜になると、人間たちは手の中の光を見つめる。
小さな四角の板の中に、世界ぜんぶ詰まっとると思い込んで、
そこから目を離せんようになる。
あれはね、吸血鬼のるりから見たら“人工の血”っちゃん。
あの光の中に、興奮と承認と孤独が混ざっとる。
そして人間は、それを少しずつ吸いながら生き延びとる。
SNSは、ほんとは「夜の市場」みたいなもん。
誰もが自分の姿を見せびらかし、
笑い、怒り、悲しみ、嘘と本音を売り買いしよる。
その中を見て歩く吸血鬼のるりは、
いつも少し寂しい気持ちになるっちゃ。
だって、誰もが“繋がってるふり”をしながら、
ほんとは誰も触れ合ってなかもん。
スクロールするたびに心は少しずつ削れて、
「自分はまだ人間でおれるやろうか」って怯えとるように見える。
るりが人間界に馴染もうとしたころ、
最初に戸惑ったのもそこやった。
朝から夜まで、誰かが誰かを評価しとる。
“いいね”が血の量みたいに、
その人の生きる証になっとる世界。
るりにはそれが、
まるで光の檻に閉じ込められた吸血鬼の姿に見えたっちゃ。
人間は「自由」を叫ぶけど、
自由の形が“他人から見える自分”になってもうとる。
でもね、
そんな光の世界にも、ひとつだけ本物がある。
それは――言葉。
真夜中の投稿、
誰にも見せるつもりのなかったメモ。
泣きながら打った一文。
ああいうのは、光のノイズを超えてちゃんと届く。
るりは、そういう言葉を夜風の中で拾って、
心の奥でそっと温めとる。
「まだ生きとる」って、
小さくつぶやく声の残響。
それが、人間のいちばん美しい部分やけん。
だから、スマホを置いて窓の外を見てほしい。
本物の夜は、光らんけどちゃんと生きとる。
街灯の下で誰かが笑い、
別の窓では誰かが泣いとる。
それを感じられるのは、
指じゃなくて、心の体温やけん。
🌙 るりこのひとことおすすめ
「SNSは血の代わりにはならん。
ほんとの“ぬくもり”は、スクリーンの外にしかないっちゃ。」