こんにちは、つかさです。
SNSが日常に溶け込み、誰かの作品、言葉、暮らし、成功が常に流れてくる時代。
その中でふと、「自分はまだ足りない」「あの人の方がすごい」と感じてしまう瞬間ってあるよね。
比べないようにしようと思っても、気づけば心がざわついている——。
今日は、そんな“比較”の習慣を少しずつやわらげていく方法を、心理と習慣、そして環境の視点から話してみようと思う。
1. 比較は悪ではない:脳の“標準装備”を理解する
まず知ってほしいのは、「他人と比べる」のは人間の脳がもともと持っている機能だということ。
心理学では**社会的比較理論(フェスティンガー)**という言葉がある。人は、自分の立ち位置を確認するために他者との比較を行う生き物。
つまり、「比べるな」は無理な話なんだ。
ただ問題は、“比べる”ことではなく、“比べたあとに自分を否定してしまうこと”。
それを防ぐには、比較の意味を変えていく必要がある。
2. “上を見る”比較と“前を見る”比較
比較には二つの方向がある。
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上方向の比較:自分より優れた相手と比べてモチベーションを得る(ただし、嫉妬や焦りにもなりやすい)
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前方向の比較:過去の自分と比べて成長を確認する(達成感と自己効力感につながる)
多くの人がSNSで苦しくなるのは、“上方向の比較”ばかりが増えるから。
タイムラインは「他人のハイライト集」だから、見れば見るほど自分の“今”が薄く見えてしまう。
対策はシンプル。「前方向の比較」を意識的に増やすこと。
昨日の自分、1年前の自分と比べて“できるようになったこと”を数える。
それだけで、比較のエネルギーが“他人から自分”に戻ってくる。
3. SNSとの付き合い方:見るより“残す”を中心に
SNSは、観客モードで使うと心が削られる。
でも、“記録モード”で使うと、自己成長のアーカイブになる。
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見る時間を決める:朝と夜の15分だけ。
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通知を切る:タイムラインを自分のペースで開く。
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発信を“成果報告”ではなく“観察日記”にする。
例:「今日は塗装の色味を変えてみた」「トップコートの薄吹きがうまくいった」など。
それだけで、承認欲求のSNSから、成長記録のSNSに変わる。
他人の反応を気にしすぎるときは、「誰かのために書く」ではなく「未来の自分のために残す」と切り替えるのも効果的だ。
4. “比較脳”を落ち着かせるための3つの習慣
① 成功より“継続”を可視化する
努力が結果に変わるまでには時間がかかる。だから、成果ではなく続けた日数を記録する。
「20日間連続で机に向かった」「今週も3回塗装した」。この記録は自己肯定感の燃料になる。
② 感情を“実況中継”しない
嫉妬や焦りが出た瞬間に、「今、自分は焦ってるな」と言葉にする。
感情を“ラベル化”するだけで、思考の暴走が止まりやすい。心理学ではこれを感情のメタ認知という。
自分の心を、他人事のように眺める練習だ。
③ 「比べない時間」を作る
情報を断つのではなく、**“意識的に比べない時間”**を生活の中に入れる。
夜1時間、スマホを遠ざけて、自分の作品やノートだけを見る時間。
静かさの中で、「自分のペース」を思い出す。
5. 比較のエネルギーを“観察”に変える
比べること自体を悪者にしなくていい。
「この人の表現は何が上手なんだろう」「構図の取り方が参考になるな」——そうやって観察モードに入ると、比較は学びに変わる。
SNSや作品投稿の世界では、嫉妬を“技術への好奇心”に変換する人が伸びる。
「羨ましい」ではなく「どうやってるんだろう?」と考えるだけで、心の消耗が激減する。
6. 自分の“基準”を取り戻す
他人と比べていると、自分の中の基準がどんどん曖昧になる。
だからこそ、自分の**「これが好き」**を明確に持つことが一番の防御になる。
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どんな作品に心が動くか
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どんな瞬間に達成感を感じるか
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どんなペースで作るのが気持ちいいか
この“自分軸のカタログ”を意識して増やしていくと、外の評価よりも“内の満足”で動けるようになる。
7. 比較から自由になるということ
「比べない」とは、他人を見ないことではない。
それは、“誰かを見ても自分を見失わない”ということ。
SNSで誰かの成功を見たときは、こうつぶやいてみよう。
「自分も、自分のペースで進んでる」
「今日は昨日より少し上手くなった」
比較の痛みをやわらげるのは、結局、自分へのやさしさなんだ。
おわりに
比べないことは、孤立することじゃない。
他人をリスペクトしながら、自分をちゃんと肯定するためのスキルだ。
SNSの中で誰かの“光”を見たとき、自分の“今”がかすんで見えることがある。
でも、光が見えるってことは、あなたの中にもちゃんと光がある証拠なんだ。
今日も、昨日より少しだけ自分のペースで。
スクロールを止めて、深呼吸して、自分の手を見よう。
その手が作ってきたものは、誰とも比べられない、あなただけの軌跡だ。
読んでくれて、ありがとう。